エンディングノートを残そう!家族に向けた生前整理の形

エンディングノートを残そう!家族に向けた生前整理の形

エンディングノートを書こう

エンディングノートとは?

エンディングノートとは、家族に自分の情報を残すためのノートです。自分の終末期や死後には家族が様々な手続きや処理を行ってくれますが、その際に必要な情報を残す事ができます。

エンディングノートは終活ノートと呼ばれる事も知っておきましょう。書き留める内容は資産や葬儀に関する事が多いですが、他にも様々な内容を記す事ができます。病気の治療法や余命を伝えるかどうか、ペットの事などあらゆる内容を記しておく事ができるものです。

ただし、遺言書のような法的効力は持っていない事を理解しておく必要があります。遺産や相続に関する内容を記す事は問題ありませんが、それが法的効力がない事は理解しておかなければなりません。

家族が見る事を考えて作成しよう

エンディングノートは家族が見る事を考えて作成する事が大事です。自由に記入する事ができるものですが、好きに書いてしまうとかえって家族を困らせてしまう可能性があります。自分の情報や気持ちを書いておく事は大事ですが、家族が見たときに嫌な気持ちや悲しい気持ちになってしまうような内容にしない事が重要です。

分かりやすく書く事も大事であり、自分で理解できても家族が理解できなければ意味がありません。自分の気持ちや考えを整理するために活用する事もできますが、家族に残す事を忘れないようにしてください。

せっかく残しておいても乱雑な文字で読めない、友人や親戚の名前、所有している口座や契約しているサービスを自分にしか分からない略称や呼称で書かないようにする事も大切だと言えます。

エンディングノートを発見したけれど、故人の伝えたかった事が分からないというケースもあるので注意が必要です。

事務的な重要情報から記載する

エンディングノートを書くときには、事務的な重要情報から記載するべきだと言えます。

様々な内容を書き留めておく事が可能ですが、重要度の高いものから記載しておく事が親切です。自分の名前などを始めとする個人情報を書き出し、続いて友人の連絡先や住所などを書いておけば良いと言えます。

所有口座の種類や印鑑の場所、契約中のサービスなども始めのほうに書いておくと良いです。家族へのメッセージや感謝の言葉などを残す事も可能ですが、そういった内容は最後に記す事をおすすめします。

エンディングノートの出番がやってきたときに、家族が必要な情報が始めのほうになるように心がけておくと、活用しやすいエンディングノートに仕上がるはずです。どういった項目から書けば良いか分からない、迷ってしまうという場合は自分で真っさらなノートを用意するのではなく、市販のエンディングノートやダウンロードしたテンプレートを活用すると優先度の高い内容から記していく事ができます。

良いエンディングノートにするためにも、記入の際にはこういったポイントに気をつける事を忘れないようにしてください。

エンディングノートの重要事項

自分の事について詳しく記載しよう

自分の事はエンディングノートにおいてかなり重要な内容です。

氏名や年齢、誕生日などは家族であれば知っているはずですが、本籍地住民票コードを記しておくべきだと言えます。運転免許証や健康保険証、パスポートやマイナンバーカードの保管場所についても記しておくべきです。

身の回りの事として、携帯会社やパソコンのプロバイダ名、メールアドレスなどをエンディングノートの内容に含めておくと良いでしょう。SNSやブログ、ホームページなどを運用している場合は、アカウントやログインパスワードを伝えるだけでなく、それらを削除してもらう事もできます。削除する場合でも残しておく場合でも、繋がっているフレンドやフォロワーに向けて投稿してほしいメッセージを書いておく事もできるでしょう。

ペットを飼っている場合、事前に家族に相談した上で、自分が亡くなった後にどうしてほしいか記載しておく必要がありますし、ペットの性格や好きなもの、加入している保険やかかりつけの動物病院を明らかにしておく事をおすすめします。

自分についてのページでは、友人や知人の一覧表として、友人や職場の人の連絡先を残しておくと良いです。ここでは、病院や飲んでいる薬、終末期の告知や延命処置、介護などについての情報も重要だと言えます。
既に利用している病院や薬がある場合はその内容、持病やアレルギーを書き、終末期には病気や余命を告知してほしいか、回復が見込めない場合に延命措置を希望するか、臓器を提供する意思はあるかなどの内容が書けるでしょう。

介護については希望する施設名や内容、費用や介護してほしい人物、認知症になった場合の事などを書けます。

資産の事についても忘れずに書いておこう

資産では有価証券や不動産、骨董品や貴金属、貸金庫やトランクルーム、貸しているお金などを書いておきましょう。価値があるかどうか分からないものであったとしても、骨董品や貴金属などを伝えておくべきです。

預貯金は銀行名や口座番号だけでなく、ネットバンキング用のIDを書いておくと親切ですし、公共料金やクレジットカードの引き落としを登録している場合はそれについても書いておきます。年金は基礎年金番号や加入している種類、企業年金や個人年金などの私的年金があるかなどが重要です。

借入金やローンがある場合もこの項目で記載しておくべきなので、借入先や内容、保証人の名前を記しておきます。保険は加入しているサービスと商品名、クレジットカードは名称やインターネットログイン用IDなどを書き留めておくようにしてください。

家族・親族についても詳細な情報を残そう

家族や親族については、現在の家族や自分の親、兄弟の続柄とそれぞれの連絡先を書いておく事がおすすめです。同居していない家族や養子がいる場合はその情報を明らかにしておいたほうが良いですし、相続の際に活用できる親族表を用意しておくと親切だと言えます。伝えていない血縁関係者がいる事が後から分かると、遺された家族や親族でトラブルが起こる事になるので注意しておきましょう。

一緒に住んでいたり隠し事がなかったりすればわざわざ記す必要はないと感じるかもしれませんが、死後に家族が迷ったり戸惑ったりする事がないように全ての情報を明らかにしておく事がおすすめです。

葬儀・納骨について希望を伝えよう

葬儀や納骨の希望を記入しておくと、家族がスムーズにこれらを実施する事ができるので便利だと言えます。家族が亡くなった後は冷静に判断する事ができない、考える力がなくなってしまっている人が多いです。

自分の希望通りに葬儀や納骨を行ってもらうためである事はもちろんですが、遺された家族を支えるためにも必要なものだと理解しておきましょう。葬儀に関しては希望する葬儀内容や菩提寺の名前から連絡先、自分が信仰している宗教や宗派、希望する喪主や参列者、遺影の写真や費用の希望が伝えられます。

納骨は希望する納骨方法、お墓の所在地や連絡先、そのときの使用権者、お墓を継承してほしい人を伝えておくと良いです。近頃は家族葬や散骨、樹木葬などを希望する人が増えていますが、こういった内容を希望する場合もしっかりと書き留めておくべきだと言えます。

遺言について記載することもできる

法的拘束力はないものの、遺言についてエンディングノートに記しておくと便利です。遺言書を作成しているかどうか、遺言書の保管場所や証書の種類について知らせておく事をおすすめします。

作成している場合は自筆証書なのか公正証書なのか、秘密証書なのか伝えておくべきですし、作成時に相談した専門家の名前や連絡先まで書いておくと親切です。

遺言書があるとしても、ここに誰に何を相続させるかという希望、その考えに至った理由まで記載しておく事も可能だと言えます。あくまでも、家族が参考にするためのものだと言えますが、遺言書を分かりにくい場所に置いてある場合などはエンディングノートにてしっかりと保管場所を伝えておくようにしてください。

エンディングノートは必要?

エンディングノートを残すメリット

エンディングノートの内容や書いておくべき内容を知った上で、本当にこれは必要なのだろうかと思う人もいるかもしれません。用意しておく事は必須ではありませんが、エンディングノートには様々なメリットがある事を理解しておくと良いです。

エンディングノートを残せば家族に想いを託す事ができ、自分が伝えたい希望や感情を思い残す事なく伝えられます。遺言書などでも家族への想いは伝えられますが、細かい内容は伝えられません。エンディングノートは自由に記載できるので、家族1人1人に手紙のように気持ちを書いておく事もできます。

人生の振り返りができる事も大きなメリットだと言えるでしょう。ノートには自分自身の事を書くので、それらを通して自分が今までどういった人生を歩んできたのか振り返る事が可能です。その中で新たな想いに気づく事もでき、エンディングノートを書かなければ気がつかなかった潜在的な希望や感情を引き出せる可能性が高いと言えます。

備忘録として活用できる点も嬉しいメリットです。自分に何かあったときに家族に参考にしてもらえるだけでなく、自分の持っている口座や加入している保険、友人の連絡先などをすぐに確認できます。

老後はもの忘れが激しくなってしまう事が多いですが、早めにエンディングノートを用意しておけば自分自身の備忘録としても活躍させる事が可能です。

エンディングノートは家族に向けた生前整理

エンディングノートは家族に向けた生前整理であると理解しておきましょう。利用していないサービスを早めに解約しておく、不要なアイテムは処分しておくなども生前整理に含まれますが、情報の整理も非常に大切な事です。

エンディングノートを用意しておらず、情報が散在していれば自分の死後に家族が大変な思いをする事なります。他の部分で生前整理を行っておいたとしても、情報がバラバラである事で家族の大変さに繋がってしまうかもしれないと理解しておくべきです。家族に負担をかけたくないのであれば、生前整理の一環としてエンディングノートを用意する事がおすすめだと言えます。

エンディングノート選びのポイント

エンディングノートには様々な種類のものがありますが、どのようなものを利用しても問題ないです。紙に残しておく事に意味があるので専用のノートである事にこだわる必要はありませんが、普通のノートやメモ帳、パソコン上のファイルではエンディングノートを残している事に気づかれない可能性があるので注意が必要だと言えます。

価格や好み、書きやすさで既製品を選んでも良いですし、無料配布されているテンプレートを印刷して書き込んでも良いです。自分の持っているノートや文具店で買った一般的なノート、パソコン上のデータでもエンディングノートがある事を家族が分かる状態にしておけば問題ないと言えます。書きやすさや見た人の理解しやすさ、保管の容易さや家族の見つけやすさで決める事がおすすめです。

まとめ

近年は、いざというときのためにエンディングノートを書いておく人が増えていますが、自分の希望や想いを確実に伝えるためには非常に重要なアイテムだと言えます。

絶対に書いておくべきだとは言えませんが、自分のためにも家族のためにも用意しておく事がおすすめです。ただし、せっかく用意しても内容や保管方法に問題があれば意味がありません。重要事項がしっかりと記入されている、自分の死後や意識がなくなってしまった後に家族が確実に見受けられる事が大切です。

エンディングノートを残しておく事にはたくさんのメリットがあるので、特徴や魅力、書いておくべき内容などを詳しく理解した上で記入を始めてみる事がおすすめだと言えるでしょう。

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